着工金とは?注文住宅で支払うタイミング・相場・住宅ローンとの関係を解説

注文住宅では、建築費を一度に支払うのではなく、契約時・着工時・上棟時・完成時など、工事の進行に合わせて段階的に費用を支払うのが一般的です。その中でも「着工金」は、工事開始時に支払う重要な費用であり、資金計画を立てるうえで理解しておきたいポイントといえるでしょう。しかし、「着工金とは何か」「いくら必要なのか」「住宅ローンで支払えるのか」など、疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。事前に仕組みを理解しておかないと、工事途中で資金不足になるなど、家づくりの計画に影響が出る可能性もあります。   この記事では、着工金の意味や支払うタイミング、相場、住宅ローンとの関係などをわかりやすく解説します。注文住宅の資金計画を立てる際の参考にしてみてください。

着工金とは

着工金とは、注文住宅の工事が始まるタイミングで施工会社に支払う費用の一部です。住宅建築では工事の進行に合わせて費用を段階的に支払う仕組みが採用されることが多く、着工金はその最初の支払いにあたります。ここでは着工金の意味や必要な理由、注文住宅で発生する背景について解説します。

着工金が必要になる理由

着工金が必要となるのは、住宅の建築工事では開始段階から多くの費用が発生するためです。注文住宅では、建材の仕入れや職人の手配、基礎工事の準備などを着工前後から進める必要があり、施工会社はそれらの費用を先に負担することになります。そのため、工事開始時に施主から着工金を受け取り、建築に必要な資金を確保する仕組みが設けられています。   住宅建築は数か月にわたる工事となるため、工事費を一度に支払うのではなく、契約金・着工金・中間金・完成時支払いといった段階的な支払いが行われるのが一般的です。着工金は、資材費や人件費など工事初期に必要となる費用に充てられ、工事を円滑に進めるための資金として位置づけられています。

注文住宅で着工金が発生する背景

注文住宅で着工金が発生する背景には、住宅建築の進め方があります。注文住宅は契約後すぐに工事が始まり、基礎工事や資材の発注、職人の手配などが段階的に進められます。そのため施工会社は、工事開始の段階から資材費や人件費など多くの費用を支払う必要があります。   こうした事情から、住宅建築では工事費を一度に支払うのではなく、工事の進行に合わせて段階的に費用を支払う仕組みが採用されることが一般的です。着工金はその最初の支払いにあたり、工事を円滑に進めるための資金として位置づけられています。

着工金を支払うタイミング

着工金は住宅会社や契約内容によって支払うタイミングが異なり、工事着工時や基礎工事完了時など複数のケースがあります。支払い時期によって資金準備の方法や負担のタイミングも変わるため、事前に把握しておくことが重要です。ここでは着工金を支払う主なタイミングと契約時に確認しておきたいポイントについて解説します。

工事着工時に支払うケース

注文住宅では、建物の工事が始まるタイミングで着工金を支払うケースが多く見られます。着工金は工事開始に伴う費用で、資材の発注や職人の手配、仮設工事の準備などに充てられます。支払う金額は住宅会社によって異なりますが、工事費総額の20〜30%程度が目安とされることが一般的です。   注文住宅では、契約金・着工金・中間金・完成時残金のように、工事の進行に合わせて段階的に費用を支払う方式が多く採用されています。住宅ローンは建物完成後に融資が実行される場合も多いため、着工金は自己資金やつなぎ融資で準備するケースもあります。

基礎工事完了時に支払うケース

着工金の支払いタイミングは住宅会社や契約内容によって異なり、工事着工時ではなく基礎工事完了時に設定されるケースもあります。住宅工事は基礎工事から建物本体の工事へと進むため、基礎工事の完了を一区切りとして費用を支払う仕組みが採用されることもあるでしょう。 このような方法では、工事の進捗に合わせて費用を支払う出来高払いの考え方が反映されており、施工会社の資金管理や工事の進行状況に応じた支払いスケジュールが組まれています。また、基礎工事完了後に着工金を支払う契約であれば、施主側は工事開始直後の支払い負担をやや遅らせることができ、資金計画を立てやすくなる点も特徴です。

契約書で支払い時期を確認する重要性

着工金の支払い時期や金額は、ハウスメーカーや工務店、契約内容によって大きく異なるため、契約前に工事請負契約書を確認しておくことが重要です。契約書には支払い回数や金額、支払い時期などが具体的に記載されており、資金計画を考えるうえで欠かせない情報となります。   一般的には契約時・着工時・上棟時・完成時など、複数回に分けて支払うケースが多く、会社ごとにスケジュールは異なるものです。着工金は住宅ローンではなく自己資金で支払うことも多いため、事前に支払い条件を理解していないと資金不足や支払いトラブルにつながる可能性もあります。契約前には支払いスケジュールを確認し、無理のない資金計画を立てておくことが大切でしょう。

着工金の一般的な相場

注文住宅では、着工金の金額がどの程度になるのか気になる人も多いのではないでしょうか。着工金は建築費の一定割合を目安として設定されることが多く、建築費や住宅会社によって金額が変わることもあります。ここでは、着工金の一般的な相場や建築費別の目安、住宅会社によって割合が異なる理由について解説します。

建築費の約30%が目安

注文住宅の着工金は、一般的に建築費の約30%前後が目安とされています。住宅の建築費は契約時・着工時・上棟時・完成時など複数の段階に分けて支払うケースが多く、その中で着工金は工事が実際に始まるタイミングで支払う費用にあたります。   支払い割合の一例としては、契約時に5〜10%、着工時に約30%、上棟時に約30%、完成時に残金を支払う流れがよく見られます。ただし住宅ローンは建物完成後に融資が実行される場合が多く、着工金は自己資金で準備するか、つなぎ融資を利用して支払うケースもあります。資金計画を立てる際には、着工金を含めた工事途中の支払いスケジュールを事前に確認しておくことが大切でしょう。

建築費別の着工金シミュレーション

着工金は建築費の約30%が目安とされることが多く、建築費によって必要な金額も大きく変わります。例えば建築費が2000万円の場合は約600万円、2500万円なら約750万円、3000万円なら約900万円、4000万円では約1200万円ほどが一つの目安です。このように建築費が高くなるほど、着工金として準備する自己資金も大きくなるため注意が必要です。   また注文住宅では、着工金に加えて上棟時の中間金なども発生するため、完成前に建築費の60%程度を支払うケースも見られます。そのため、自己資金の準備だけでなく、つなぎ融資の利用も含めた資金計画を事前に検討しておくことが重要です。

ハウスメーカーによって割合が異なる理由

着工金の割合はすべての住宅会社で同じではなく、ハウスメーカーや工務店によって支払い割合や回数が異なります。背景には、建築会社ごとの資金回収の仕組みや支払いスケジュールの設計の違いがあります。主な理由は次の通りです。  
理由 内容
資金回収の仕組みの違い 建築会社は資材費や人件費を工事前から支払う必要があるため、資金回収の方法によって着工金の割合が変わる
支払い回数の設計の違い 契約・着工・完成の3回払い、契約・着工・上棟・完成の4回払いなど会社ごとにスケジュールが異なる
大手メーカーと工務店の違い 大手は資金力があるため着工金が低めのケースもあるが、工務店では資材費確保のため割合が高めになる場合がある
住宅ローンの融資タイミング 多くの住宅ローンは完成時融資のため、施工会社は工事途中の費用を施主から段階的に回収する必要がある
  このように、着工金の割合は住宅会社ごとの事情によって変わります。契約前には支払いスケジュールを確認し、資金計画を把握しておくことが重要です。

注文住宅の支払いスケジュール(着工金の位置づけ)

注文住宅では、建築費を一度に支払うのではなく、契約時・着工時・上棟時・完成時など複数回に分けて支払うのが一般的です。その中で着工金は、工事開始時に支払う費用として重要な位置づけとなります。ここでは、注文住宅の支払いスケジュールの流れと着工金の役割について解説します。

注文住宅の費用は分割で支払う

注文住宅の建築費は、契約から完成・引き渡しまでの期間に複数回に分けて支払うのが一般的です。建売住宅のように完成時に一括で支払う方式とは異なり、注文住宅では工事の進行に応じて費用が発生するため、段階的に支払う「出来高払い」の仕組みが用いられます。多くの住宅会社では、契約時・着工時・上棟時・完成時の3〜4回に分けて支払うスケジュールが設定されています。これは、建築会社が資材費や人件費を工事の進行に合わせて支払う必要があるためです。   なお住宅ローンは建物完成時に融資が実行されることが多く、工事途中の支払いは自己資金やつなぎ融資で対応するケースも見られます。そのため、家づくりを検討する際は、建築費だけでなく支払い時期も含めて資金計画を立てておくことが重要といえるでしょう。

契約金・着工金・中間金・最終金の流れ

注文住宅の支払いは、一般的に「契約金」「着工金」「中間金(上棟金)」「最終金」の4段階で進められます。工事の進行に合わせて費用を段階的に支払う仕組みです。   主な支払いの流れは次のとおりです。  
支払いタイミング 内容 目安割合
契約時 工事請負契約締結時に支払う契約金 約5〜10%
着工時 工事開始時に支払う着工金 約30%
上棟時 建物の骨組み完成時の中間金 約30%
引き渡し時 完成後に支払う最終金 約30%
  支払い回数や割合は住宅会社によって異なりますが、工事の進行に合わせて段階的に支払う点は共通しています。

注文住宅の支払いスケジュール例

注文住宅の支払いスケジュールは住宅会社によって異なりますが、代表的なのは契約・着工・上棟・完成の4回に分けて支払う方法です。例えば建築費が3000万円の場合、契約時に約300万円、着工時に約900万円、上棟時に約900万円、引き渡し時に約900万円といった形で支払うケースが多く見られます。  
支払いタイミング 支払割合 支払額例(建築費3000万円)
契約時 約10% 約300万円
着工時 約30% 約900万円
上棟時 約30% 約900万円
引き渡し時 約30% 約900万円
  ただし住宅会社によっては、着工金を20〜30%程度に設定したり、完成時の支払い割合を増やしたりするなど条件が異なる場合もあります。また中間金を設けず、3回払いで進める契約も見られます。契約前には支払いスケジュールを確認し、自己資金や住宅ローンとのバランスを踏まえて資金計画を立てておくことが重要といえるでしょう。

着工金は住宅ローンに組み込める?

注文住宅では、着工金を住宅ローンで支払えるのか疑問に思う人も多いでしょう。多くの住宅ローンは建物完成後に融資が実行されるため、工事途中の費用には利用できない場合があります。ここでは、着工金と住宅ローンの関係や資金を準備する方法について解説します。

通常の住宅ローンでは支払えない理由

一般的な住宅ローンは、建物が完成して引き渡されるタイミングで融資が実行される仕組みです。そのため、注文住宅の建築途中に発生する契約金や着工金、中間金などの支払いには、住宅ローンの資金を直接充てられない場合があります。   注文住宅では、契約時・着工時・上棟時・完成時など、工事の進行に合わせて費用を段階的に支払う「出来高払い」が採用されることが多い仕組みです。完成前でも建築費の多くを支払う必要があるため、着工金などは自己資金で準備するか、つなぎ融資や分割融資などを活用して資金を確保する必要があります。

つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでの間に必要な資金を一時的に借りるための短期ローンです。注文住宅では、土地購入費や着工金、中間金など、建物完成前にまとまった支払いが発生することがあります。しかし多くの住宅ローンは完成時に融資が実行されるため、それまでの資金を補う方法としてつなぎ融資が利用されます。   つなぎ融資は住宅ローンとは別契約で借り入れ、建物完成後に住宅ローンが実行された時点で一括返済する仕組みです。ただし住宅ローンより金利が高い場合も多く、利用期間が長くなるほど利息負担は大きくなります。利用を検討する際は、金利や返済条件を事前に確認しておくことが重要といえるでしょう。

分割融資とは

分割融資とは、住宅ローンの資金を一度に受け取るのではなく、建築の進行に合わせて複数回に分けて融資を受ける仕組みです。例えば土地購入時、着工時、上棟時、引き渡し時など、工事の各段階に応じて住宅ローンから資金を受け取れるため、着工金や中間金の支払いに充てることが可能になります。つなぎ融資と比べて金利負担が抑えられる場合もあります。   ただし分割融資に対応している金融機関は限られており、建築期間中は元金据え置きで利息のみを支払うなど、返済条件は金融機関ごとに異なります。利用を検討する際は、事前に融資条件や返済方法を確認しておくことが重要といえるでしょう。

着工金が払えない場合の対処法

着工金は自己資金で準備する必要があるケースも多く、支払いが難しいと感じる人も少なくありません。しかし、つなぎ融資や分割融資の利用、自己資金や親族支援の活用など、いくつかの対処方法があります。ここでは、着工金が払えない場合に検討できる主な対処法について解説します。

つなぎ融資を利用する

着工金を自己資金で準備できない場合は、つなぎ融資の利用を検討する方法があります。つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでの間に必要な資金を一時的に借りるための融資のことです。注文住宅では住宅ローンが建物完成後に実行されるケースが多く、着工金や上棟金などの支払いを先に求められる場合があります。そのため、住宅ローンとは別に短期の融資を受けて資金を確保し、住宅ローン実行後にまとめて返済する仕組みが利用されます。   ただし、つなぎ融資は住宅ローンより金利が高い傾向があり、借入期間が長くなると利息負担が大きくなる点には注意が必要です。利用する際は金利や手数料、返済時期などの条件を事前に確認し、無理のない資金計画を立てておくことが大切といえるでしょう。

分割融資を利用する

着工金の支払いに住宅ローンを活用したい場合は、分割融資に対応している金融機関を検討する方法があります。分割融資とは、住宅ローンを一度に実行するのではなく、工事の進行に合わせて複数回に分けて融資を受ける仕組みです。例えば、着工時や上棟時、完成・引き渡し時などの段階で資金が実行されるケースがあります。この仕組みを利用すれば、着工金や中間金を住宅ローンの資金で支払える可能性があります。   また、住宅ローンと同じ金利が適用される場合も多く、つなぎ融資と比べて利息負担を抑えられることがあります。ただし、分割融資に対応している金融機関は限られており、手続きが複雑になる場合もあるため、事前に利用条件や手数料などを確認しておくことが大切といえるでしょう。

自己資金や親族支援を検討する

着工金は住宅ローンに含められず、現金で支払う必要があるケースも多いため、自己資金や親族からの支援を検討する方法もあります。例えば、貯蓄を充てるほか、親族から一時的に資金を借りたり、住宅取得のための資金援助を受けたりするケースもあります。   ただし、親族から資金を借りる場合は贈与とみなされないよう、借用書を作成して返済条件を明確にしておくことが重要です。また、住宅会社によっては着工金の割合を調整したり、支払い時期を変更したりできる場合もあります。着工金の準備が難しいと感じたときは、金融機関や住宅会社に相談しながら、自分の状況に合った資金の準備方法を検討することが大切といえるでしょう。

着工金を支払うときの注意点

着工金は注文住宅の工事開始時に支払う重要な費用であり、金額や支払い時期を十分に理解しておくことが大切です。契約内容や資金計画を確認せずに進めると、資金不足や支払いトラブルにつながる可能性もあります。ここでは、着工金を支払う際に確認しておきたい注意点について解説します。

契約書で金額と支払い時期を確認する

注文住宅では建築費を一括で支払うのではなく、契約時・着工時・上棟時・完成時など、複数回に分けて支払う方式が一般的です。例えば「契約金10%・着工金30%・中間金30%・完成時残金30%」といった支払いスケジュールがよく見られます。着工金は工事開始時に支払う費用で、総工事費の約30%程度となることが少なくありません。ただし、支払いのタイミングや割合は住宅会社ごとに異なり、着工前や基礎工事完了時など条件が変わる場合もあります。   トラブルを防ぐためには、工事請負契約書に記載された金額や支払い期限、支払い回数を事前に確認し、支払いスケジュールを十分に把握しておくことが重要です。

資金計画を事前に立てておく

注文住宅では建築費を段階的に支払う仕組みのため、着工金や中間金に備えて事前に資金計画を立てておくことが重要です。住宅ローンは建物完成後の引き渡し時に実行される場合が多く、着工金などは自己資金で支払う必要が生じることもあります。そのため支払い時期を十分に理解していないと、着工時や上棟時に資金不足へ陥る可能性があります。   また、土地調査費用やプラン作成費用など、工事開始前にも数万円程度の費用が発生する場合があります。住宅会社ごとに支払い回数や割合は異なるため、契約前に支払いスケジュールを確認し、必要な資金をあらかじめシミュレーションしておくことが大切です。

地鎮祭などの費用も考慮する

注文住宅では、着工金や建築費だけでなく、工事前後に発生する関連費用も考慮しておく必要があります。代表的なものとして、工事の安全を祈願する地鎮祭があり、費用は施主が負担することが多く、相場は数万円から10万円程度です。こうした費用は建築工事費とは別に必要となるため、資金計画に含めていないと想定外の出費につながる可能性があります。   また、着工前後には建築確認申請費用や地盤調査費用などが発生する場合もあり、それぞれ数万円から十数万円程度かかることがあります。さらに上棟式を行う場合は追加費用が必要になることもあるため、工事費以外の費用も含めて余裕のある資金計画を立てておくことが大切です。

着工金の仕組みを理解して資金計画を立てよう

注文住宅では、建築費を契約時・着工時・上棟時・完成時など複数回に分けて支払うのが一般的であり、その中でも着工金は工事開始時に支払う重要な費用です。相場は建築費の20〜30%程度が目安とされますが、住宅会社や契約内容によって割合や支払いタイミングは異なります。また、多くの住宅ローンは建物完成後に融資が実行されるため、着工金は自己資金やつなぎ融資、分割融資などで準備するケースも少なくありません。   資金不足や支払いトラブルを防ぐためには、契約前に支払いスケジュールを確認し、必要な資金を事前にシミュレーションしておくことが重要です。着工金の仕組みを正しく理解し、無理のない資金計画で安心して家づくりを進めていきましょう。

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